オイルレザーとハトメ。

今日の金沢はとても良い天気でした。朝、

着替えの時に肌寒く感じたので下着のTシ

ャツを長袖に替え、衣装ケースの中も入れ

替えました。ヒートテックは時間の問題で

す。


昨日はK様の410のオイルレザーのハトメ替

えをしたことをお伝えしましたが、今日は

オイルレザーとハトメについてお話ししま

す。


私は26年前に店を創業してしばらくしてか

らフランスのエシュン社の靴とブーツを扱

いました。アッパーはボックスカーフ、柔ら

かいノボカーフ、そしてオイルレザー(スポル

テッドレザー)で、パラブーツによく似たライ

ンでした。

購入されたお客様にはとても好評で、特にオ

イルレザーは当時のまだ雨や雪が多い北陸の

気候にも大変強く、ソールも凍結に滑りにく

いゴムを使ってあったようで磨耗しにくい良

いソールでした。

何年か経ってからお客様からつま先やヒール

の部分修理を受けるようになり、その時のお

客様の靴に対する反応が「良い靴」の目安と

して今の私にあります。

ただ、紐交換をするときに古い紐に「緑色の

もの」が付いているのをいつの日か気付くよ

うになり、その後磨くときにベロの部分にも

「緑色のもの」を発見してしっかり除去して

いました。

実はそれは「緑青」でした。

真鍮のハトメとオイルレザーの成分が経年で

反応して発生したものと思います。

それから私は緑青用に歯ブラシを何本か用意

していつでも掃除出来るように対応しました。


その後エシュンは代が替わり、仕様やライン

が変わり扱いをやめましたが修理やケアの対

応は続きました。


創業時からのベルギーラインでも同じオイル

レザーが扱われるようになり、KO-1のオリジ

ナルを始めてからベルギーのアンビオリクス

社の担当に問い合わせてオイルレザーのタン

ナーのドゥジェルマン社を紹介して頂きオイ

ルレザー(スポルテッドレザー)の輸入を始め

ました。

K様の410に使用したのがそのオイルレザー

なのです。今では問屋で手に入るようになり

ました。


緑青は時間が経ってもその環境、条件によっ

て発生するときとしない時があります。

410のストック棚の場所の湿度が高かったの

だと思います。もちろん履かれている靴にも

何年か経って発生する場合もあります。


今回は購入される前のチェックで裏ハトメに

緑青が出ていて幾つかが破損していましたが、

12月20日頃なのでそのままご使用頂き後の

修理をさせていただくことを説明して購入さ

れました。そして1年近く経って修理をさせ

て頂きました。

取れてくる他のハトメや緑青の処理をして下

さったK様には大変感謝しております。

ありがとうございました!


皆様にもオイルレザーでのハトメの損傷がご

ざいましたらKOKONにご相談ください。

緑青は綿棒や歯ブラシで処理出来ますので

お試しください。


K様、明後日のお届けですのでご確認くだ

さい!



本日も命を助ける仕事をして下さってる医

療従事者の皆様に心から感謝致します。

本当にありがとうございます!

私が20年以上使用しているエシュンのブーツ。
フックにうっすら緑青が見えますがフックは
しっかりしています。