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漆黒のジャパン仕上げ

フォーマルやビジネスでプレーントゥ、そし

てキャップトゥ(ストレートチップ)を履かれ

る方は多いと思います。

鏡面磨きをされている方もいらっしゃいます

が、道路がコンクリートやアスファルト舗装

される前は砂利や石で靴が傷付き易かったの

で、トゥにエナメル加工をする場合がよく有

りました。エナメル加工は塗り直しで綺麗に

なるので、誂え靴の他に既成靴の企画も多く、

私も子供の頃に見た父の靴がそうだったと憶

えています。

第19代内閣総理大臣、原敬は外国の大使を迎

える前にエナメル靴を仕上げ直しに出してい

たそうです。外務次官をされていた経験もあ

るのでこの話に私も納得しました。(ガッテ

ン!)

時代が進むにつれて、エナメル加工はファッ

ションと共に利用され、今では多種多様な仕

上げ加工が新しく生まれ、どんどん進んでい

ます。

しかし私は、天候や場所を気にせずに行動出

来る靴、そして靴が傷ついたり汚れる事を気

にせず行動出来る実用的で、丈夫で美しかっ

た"昔"の靴に思いを馳せます。(雑で乱暴に靴

を扱うことではありません)

ショルダーやスポルト(オイル)レザー、銀面

が硬くコシの強いボックスカーフやエンボス

(型押し)レザーをお勧めするのはその思いか

らです。

10年以上前にご常連のH様から「エルメスの

本店で聞いたんですが、エルメスの求める黒

色はジャパン(漆黒)なんです。」と、教えら

れて以来、カールフロイデンベルグやワイン

ハイマーの黒とそのボックスカーフで製作し

た靴を見続けている私はもう一度故郷の輪島

塗(の黒)を確かめる事に思いを強くしました。

そして3年前の2月に輪島で行われた、「セ

カンドメモリアルGOGO・55歳、2度目の

成人式(昭和51年中学校卒業生の集り)」でた

くさんの友人や幼馴染みに再会しました。

その中でも輪島塗の伝統工芸士の九尾君とは、

お互いの仕事への関心が合い、その後家によ

く遊びに行っています。

もちろん、私の輪島塗への関心が強かった時

期でもあり、家で使う器等を購入したり、オ

ーダーしたりしました。

それから(以前のブログでも話しましたが)靴

のつま先(キャップ)に漆、乾漆加工をしたい

事を伝え、彼は私が持ち込んだボックスカー

フの革片に様々な実験をしました。

そして約一年後に私が30年以上フォーマルで

使用しているキャップトゥに実験した所、と

ても黒色が深く、多くの手間を要する細かい

乾漆加工は、傷に強い状態でありながら、革

としっかり繋がった為、トゥ自体が硬過ぎず

伸縮性が残っていました。

ケアはクリームは必要無く、ポリッシュを掛

けるのみで充分でした。その後、LG粉を入れ

て加工した星空仕上げも粉の量を変えながら

段階的に靴に施しました。



今回は、以前加工したキャップトゥを使用し

ながら、見映えと状態の良さを私が気に入り、

406を九尾君の仕事場に持ち込んで加工し

てもらいました。6足目ですが、慣れない仕

事の中で手間を掛けてくれました。

手作りでキャップと甲の境目は必ずしも真直

ぐ、均一では有りませんが、"味"だと感じて

下さるお客様にはオーダーや加工をお受けし

たいと思います。彼も仕事をする事でより良

い理想の状態を確立してくれる事でしょう。

6月末まではお試しで加工費を¥50,000から

¥35,000でお受け致します。また、御自身が

使用されているKOKONオリジナルのキャップ

トゥ、パンチドキャップトゥも加工致します。

ファクトリーもハンドメイドもOKです。

是非この機会に!!


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九尾君の研究ノートの一部です。
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ジャパン仕上げをトゥに施した406です。

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丈夫で美しく、深みがあります。
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キャップをボックスカーフに仕立てて、他の
アッパーの革をコードバン等にしても良いで
すね。(S様のご提案でした。)
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今日、焼印を押して仕上げました。
S様、早速のご購入ありがとうございます!

by kanazawakokon | 2019-05-25 18:58 | Diary | Comments(0)

金沢市の靴屋のブログです。


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